BCP「事業継続計画」で後継者を育成する

こんにちは、いつもアップオンコンサルティングのブログをお読みいただき誠にありがとうございます。後継者発掘コンサルタントの西尾です。さて、事業承継の時期が近づく中で、あなたが感じている不安は決して小さくはないでしょう。長年、自分の手で築き上げてきた会社を次の世代に引き継ぐという決断は、多くの期待と同時に大きな責任を伴います。特に、次期社長が本当に会社を守り、発展させることができるか、災害やリスクに直面した際、適切に対応できるかという点については、多くの経営者が頭を悩ませるところです。

しかし、そうした不安が少しずつ解消され、安心して事業承継に踏み切れるとしたらどうでしょうか。そのカギを握るのが「BCP(事業継続計画)」の作成です。次期社長がこのBCPを作成し、会社のリスクを管理し、将来に向けてどのように成長させるかを考えることで、彼はリーダーとしての責任感を育てることができます。そして、あなた自身も彼の成長を目の当たりにすることで、「この子なら会社を託せる」という確信を持てるようになります。

BCPは、災害やリスクに直面した際に、会社がどのようにして事業を継続していくかを計画するものです。しかし、その本質はそれだけではありません。BCPの作成を通じて、次期社長は会社全体を見渡し、弱点や強みを分析し、将来に向けての具体的な行動を計画する力を養います。この過程で、彼は会社のリーダーとしての自信を持ち始め、現社長であるあなたもまた、安心してバトンを渡せる日が近づくのです。

BCPが次期社長の成長を支える

BCP作成のプロセスは、次期社長にとってリーダーシップを発揮するための絶好の機会です。次期社長は、会社が抱えるリスクを一つ一つ洗い出し、それにどう対応すべきかを自ら考え、行動する経験を積むことになります。災害や経済危機、サプライチェーンの断絶、さらにはサイバー攻撃など、会社の未来を脅かすさまざまなリスクに対して、次期社長は計画を立て、どのようにして会社を守るかを考える力を養います。

ある次期社長がBCPを作成した際のことです。彼は、物流網が自然災害によって寸断された場合、会社の運営が深刻な影響を受けることを認識しました。工場からの製品輸送が滞ることで、納期が守れなくなり、顧客との信頼関係が揺らぐリスクがありました。そこで彼は、代替ルートの確保や、予備在庫の準備、さらにはサプライヤーとの契約を見直し、緊急時に迅速に対応できるような計画を立案しました。このように、次期社長はリスク管理のプロセスを通じて、実践的な問題解決能力を身につけていきます。

また、BCP作成の過程で、次期社長は会社の強みも再確認します。どの製品やサービスが市場での競争力を持っているのか、どの部門が特に重要で、どの技術が会社の成長を支えるのか。これらを分析し、将来に向けた成長戦略を描く力も養われます。

ステップ1: リスクの洗い出し

BCPの作成は、まず会社が直面する可能性のあるリスクをすべて洗い出すことから始まります。自然災害や経済不安、さらには人材の流出やサイバー攻撃など、あらゆるリスクをリストアップし、それぞれに対してどのように対応すべきかを計画します。このプロセスで、次期社長はリスク管理の視点を持ち、会社全体を俯瞰する力を身に付けます。

例えば、ある製造業の次期社長は、主要な設備の一つが故障した場合、会社全体の生産が停止するリスクがあることに気付きました。このリスクに対応するため、予備の設備を導入し、定期的なメンテナンスを強化することで、会社の生産ラインが途切れることのないような体制を整えました。このような具体的なリスク対策を行うことで、次期社長はリーダーとしての自信を築き始めます。

ステップ2: 会社の強みを再確認する

リスクを洗い出す一方で、次期社長は会社の強みを再確認する作業も行います。どの製品やサービスが他社よりも競争力を持っているのか、どの技術や人材が会社を支える大きな要素なのか、これらを正確に把握することで、会社が今後どのように成長していくべきかを考えます。

例えば、次期社長が自社の技術力に着目し、その技術が他社に対して大きな競争優位を持っていることを確認した場合、その技術をさらに強化するための投資や新たな市場への進出を計画することができます。このように、次期社長は強みを活かしながら、会社の未来をどう作り上げていくかを考えることができるようになります。

ステップ3: リーダーシップを発揮する

BCP作成のプロセスを通じて、次期社長はリーダーシップを発揮する機会を得ます。各部門の意見を聞き、どのリスクが最も重要で、どのような対策が必要かを判断し、チームをまとめて計画を実行に移すという役割を果たすことになります。これは、リーダーとしての判断力やコミュニケーション能力を高める貴重な経験です。

たとえば、IT部門がサイバー攻撃に対する対策が不十分であると判断した次期社長は、システムの強化を提案し、予算を確保するために経営陣と交渉しました。このようなプロセスを通じて、次期社長はリーダーとしての決断力を養い、チームの信頼を得ることができます。結果的に、次期社長がリーダーシップを発揮することで、会社全体が一つにまとまり、危機に対応する体制が整うのです。

ステップ4: 実行に移す計画力

BCPは単なる計画書ではなく、実際に行動に移して初めて意味を持ちます。次期社長は、立てた計画をどのようにして実行に移すかというプロセスでも成長していきます。具体的には、災害が発生した際にどの部門が最初に対応し、どのリソースをどのように確保するか、詳細なアクションプランを描きます。

例えば、次期社長が災害時に営業部門がまず顧客と連絡を取り、製造部門が復旧作業を開始するという計画を立てた場合、彼はその計画を実行に移すためにチームを指導し、必要なリソースを確保する役割を果たします。このように、計画を立てるだけでなく、それを実行に移すことで、次期社長はリーダーとしての自信と実行力を身に付けます。

現社長の夢が次世代に引き継がれる

次期社長がBCPを作成し、リーダーとしての成長を遂げる姿を見たとき、現社長であるあなたは大きな

安心感を得るでしょう。長年かけて築き上げてきた会社のビジョンが次の世代に引き継がれ、さらに発展していく姿を思い描くことができるようになります。

ある日、次期社長があなたにこう言うかもしれません。「父さん、私はこの会社の強みをさらに活かし、新しい市場を開拓することで、会社をさらに成長させたいと思っています。そして、どんな災害が起きても、私たちの会社は揺るぎない存在であり続けると確信しています」。その言葉を聞いたとき、あなたは安心して事業承継に臨むことができるでしょう。

事業承継は前向きな未来を創るプロセス

事業承継は、単なる世代交代ではなく、会社の未来をさらに輝かせるための重要なステップです。次期社長がBCPを通じて会社の強みと弱点を理解し、リーダーシップを発揮し、未来に向けた具体的な成長戦略を描くことで、あなたは安心して会社を託すことができるでしょう。

事業承継は前向きなプロセスです。次期社長がリーダーとして成長し、会社の未来を見据えてリスクに備える姿を見れば、あなたもその未来に希望を持つことができるでしょう。そして、あなたが長年築き上げてきた夢は、次世代のリーダーによってさらに大きく広がり、新たな未来を創り出していくのです。

次回のブログは、名義株式を早急に整理するです。

後継者の育成にBCPを活用したい経営者様がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。

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