福祉事業の事業承継を考える社長の物語


こんにちは、事業承継のコンサルタントをしている西尾と申します。

今回は、副業で福祉事業を始めたのですが、思っていたほど事業がうまく行かずM&Aによる事業承継を考え、決断に至るまでのお話を紹介します。なお、放課後デイは本業で不動産・建設業をしている方が多く、私が今まで関わってきた社長の何名かの経営者の話しをまとめたものです。

登場人物

  • 社長:不動産・建設業を本業とし、放課後等デイサービスを副業で経営する社長。
  • コンサルタント:事業承継(M&A)コンサルタントの西尾。

社長:「最近、放課後等デイサービスの経営について悩んでいるんです。最初は、国からの支給が9割もあるし、貸し倒れのリスクも少なくて、儲かると聞いて始めてみたんです。不動産業にプラスアルファの収入があると安心かなと思って。でも、現実はそう簡単ではありませんでした。」

コンサルタント:「なるほど。それは大変でしたね。具体的にどのような点で困難を感じているのでしょうか?」

社長:「まず、職員がすぐに辞めてしまうことです。職員を育てるのも手間がかかるのに、その労力が無駄になることが多くて…。福祉の仕事はやっぱり大変だからでしょうかね。それに、新しい職員を探すのも難しくて。求人を出しても応募が少なく、人手不足でいつもバタバタしています。」

コンサルタント:「福祉業界では、特に職員の確保が難しいと聞きます。他にはどのような課題がありますか?」

社長:「最近、競争が激化してきているのも問題です。近くに同じような放課後等デイサービスの施設がどんどん増えて、子供たちを集めるのが難しくなっています。以前は地域で数えるほどしかなかった施設も、今では過当競争になっていて、集客も思うようにいきません。」

コンサルタント:「なるほど、確かにそれは大きな問題ですね。今の状況を続けるのが難しいと感じているなら、事業承継やM&Aについて検討するのも一つの方法です。どうお考えですか?」

社長:「実は、最近そのことを真剣に考え始めたんです。事業を譲るか、売却するのも一つの手かなと。特に福祉事業にもっと詳しい人に引き継いでもらったほうが、事業がうまくいくのではないかと思うようになりました。」

コンサルタント:「それはとても良い考えだと思います。実際、M&Aを通じて事業を引き継ぐことは、経営者の負担を軽減するだけでなく、事業自体の価値を高めることにもつながります。特に、福祉に詳しいプロに引き継いでもらえれば、サービスの質も向上し、施設の評判も良くなるでしょう。」

社長:「その話を聞くと、確かに魅力的に思えてきます。でも、M&Aってなんだか複雑そうで、手続きもたくさんありそうですよね。」

コンサルタント:「確かにM&Aにはいくつかのステップがありますが、その全てを私たちのような専門家がサポートしますので、心配は無用です。まずは、会社の価値を適切に評価することから始め、次に適切な買い手を見つけて、交渉を進めていきます。最後に契約を締結し、売却が完了するまでしっかりサポートします。」

社長:「それなら安心です。でも、もし会社を売ったら、その後どうなるのかが気になります。自分の会社が他人の手に渡るのは、やはり少し不安ですね。」

コンサルタント:「そのお気持ちはよくわかります。しかし、売却後のことも考えておくことが大切です。例えば、得た資金を不動産業に再投資することで、今度は本業に集中してさらに大きく事業を展開することができます。実際、他の経営者も同じような道を選び、成功を収めています。」

社長:「不動産業に戻るというのも一つの選択肢ですね。福祉事業での苦労を考えると、本業に集中するほうが効率的かもしれません。」

コンサルタント:「その通りです。M&Aを通じて事業を売却することで、福祉事業にかけていた時間とリソースを本業に回すことができ、より効率的に事業を拡大することが可能になります。さらに、得られた資金を活用して、新しいビジネスチャンスを探ることもできます。」

社長:「実際にM&Aを行った経営者の成功例などがあれば、教えてもらえますか?」

コンサルタント:「もちろんです。例えば、ある経営者は副業で始めた福祉事業を売却し、その資金を使って不動産事業に再投資しました。その結果、より大規模なプロジェクトに取り組むことができ、会社の成長に繋がりました。このように、本業に集中することで、より大きな成果を得ることができるのです。」

社長:「そう聞くと、自分にも同じようなことができるかもしれないという気がしてきました。やはり、自分の得意分野に集中するのが良いのかもしれません。」

コンサルタント:「その意識が大切です。M&Aは新しいチャンスを作り出す手段であり、次のステップに進むための第一歩です。社長のように不動産業に豊富な経験を持つ方が、本業に注力することで、さらに大きな成功を収めることができると思います。」

社長:「最近は福祉事業のことばかりで、不動産業の方に手が回っていませんでした。やはり本業に集中するべきですね。」

コンサルタント:「その判断は賢明だと思います。事業承継やM&Aを通じて、福祉事業を適切な相手に引き継ぎ、社長が本業に集中できるようサポートします。一緒に次のステップを進んでいきましょう。」

社長:「ありがとうございます。M&Aで福祉事業を売却して、不動産業に全力を注ぐ決心がつきました。これからの展開が楽しみです。」

コンサルタント:「素晴らしい決断です。私たちも全力でサポートしますので、安心してお任せください。一緒に新しい未来を築いていきましょう!」

社長:「はい、心強いです。不動産業に専念することで、もっと成長できるように頑張りたいと思います。福祉事業も、新しいオーナーのもとでさらに発展してくれると信じています。」

コンサルタント:「その意気です!事業承継は終わりではなく、新たな始まりです。共に最良の結果を目指して頑張りましょう!」


こうして社長は、不動産業に専念する決断を固め、事業承継(M&A)を通じて、放課後等デイサービス事業を売却する道を選びました。
福祉事業は、特に有資格者職員や国に大きく事業展開を制限されるため、慎重に事業展開を考える必要があります。
最近は、多くの放課後デイ経営者から事業承継・M&Aの相談を受けています。
もし、事業譲渡を考えいる方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。

次回のブログは、家族経営の企業が外部のプロフェッショナルに経営を委ねるメリットについてです。

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株式会社 アップオンコンサルティング
担当者  西尾までお気軽にお問い合わせください。

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