事業承継の形 - 自動承継って知ってますか?

これからの事業承継の形 - 新時代の始まり

はじめに

こんにちは、日本を元気に!国際競争力をアップする為に、日夜、事業承継のお助けをしている西尾です。
今回は、これからの事業承継の形・自動承継という聞きなれない考え方ですがぜひ知って欲しいと思います。

自動承継の進化とその意義

事業承継の新しい形として注目されている「自動承継」。これは、企業の運営を一定の基準や条件に基づいて、自動的に後継者に引き継ぐプロセスです。

従来の事業承継とは異なり、自動承継では経営者の突然の不在や予期せぬ事態にも柔軟に対応できる体制を整えることができます。この仕組みは、単なるリーダーの交代に留まらず、企業の持続的な成長と発展をサポートする戦略的な手段となり得ます。ここでは、自動承継のメリットと、その導入に向けた具体的なステップについて詳しく説明します。

自動承継の主な利点

1. 事業の継続性の確保

自動承継の最大の利点は、事業の継続性を確保できることです。例えば、経営者が不測の事態で突然不在になった場合でも、事前に設定された自動承継のルールに基づいて、新しいリーダーがすぐに事業運営を引き継ぐことが可能です。

これにより、事業が混乱なく継続され、顧客や従業員への影響を最小限に抑えることができます。特に、経営者の個人的な知識やノウハウに大きく依存している企業では、自動承継の仕組みがリスク管理の一環として重要です。

2. リスク管理の強化

経営者の急逝や予期せぬトラブルは、どの企業にとっても大きなリスクです。自動承継の仕組みを導入することで、こうしたリスクをあらかじめ計画的に管理することが可能となります。

例えば、経営者が健康上の理由で退任を余儀なくされた場合、既に定められた後継者が速やかに指揮を引き継ぐことで、事業の連続性を保ち、企業の信用を守ることができます。また、経営戦略や方針の一貫性を維持するためにも、自動承継のプロセスが重要な役割を果たします。

3. 透明性と公正性の向上

自動承継のプロセスは、透明性と公正性を提供します。事前に後継者選定の基準や条件が明示されているため、選定過程における主観的な判断が排除され、全員が納得できる形での承継が可能となります。これにより、社内外のステークホルダー(従業員、取引先、顧客など)からの信頼が高まり、企業の評判向上にもつながります。特に、経営者交代に伴う内部対立や不満を未然に防ぐ効果が期待できます。

自動承継の導入に向けた具体的なノウハウ

自動承継を成功させるためには、以下の具体的なアプローチを取ることが有効です。それぞれのステップで必要な行動を実践することで、自動承継の仕組みをスムーズに導入することができます。

ステップ1: 後継者選定基準の設定

まず、後継者選定のための具体的な基準と条件を設定します。これには、以下の要素を含めることが推奨されます。

・リーダーシップ能力: 組織を率いるためのリーダーシップスキルがあるかどうかを評価します。 
・経営経験と知識: 財務管理、マーケティング、オペレーションなどの実務経験があるかを確認します。 
・企業文化との適合性: 企業の価値観やビジョンに共感し、それを体現できる人物であるかを見極めます。 

具体的な方法:

社内の経営陣と協議し、上記の基準に基づいて評価シートを作成します。また、定期的なレビューを行い、基準が企業のニーズに合致しているかを確認し、必要に応じて基準を見直します。

ステップ2: リスクシナリオの策定とプランニング

自動承継の準備には、様々なリスクシナリオを想定して、それぞれに対応するプランを策定することが重要です。

・シナリオ設定: 経営者の急逝、健康問題、辞任などの可能性を考慮し、それぞれのケースに対する対応策を設定します。 
・アクションプランの策定: 各シナリオにおいて、誰が、どのような手順で事業を引き継ぐかを具体的に定めます。 

具体的な方法:

シナリオごとの対応策をまとめた「リスクマネジメントマニュアル」を作成します。このマニュアルは、企業の全役員と主要な従業員に共有し、緊急時にすぐに活用できるよう準備しておきます。

ステップ3: 後継者の育成プログラムの実施

後継者としてのポテンシャルを持つ人材に対して、経営者としてのスキルと知識を習得させるための育成プログラムを実施します。

・リーダーシップトレーニング:リーダーシップスタイルや意思決定の方法を学びます。 
・経営シミュレーション: 仮想の経営環境で意思決定を行い、実際の経営に近い経験を積ませます。 
・メンター制度: 現経営者や外部のエキスパートがメンターとなり、個別に指導を行います。 

具体的な方法:

年間計画を立て、トレーニングやシミュレーションのスケジュールを組みます。また、定期的なフィードバックセッションを実施し、後継者候補者の成長をチェックし、必要に応じてプログラムを調整します。

ステップ4: コミュニケーションとエンゲージメントの強化

自動承継プロセスの透明性を高めるため、関係者全員とのオープンなコミュニケーションを重視します。

・定期的な説明会の開催: 後継者選定の基準やプロセスを明確にし、全社員に説明する機会を設けます。 
・アンケートやフィードバック: 社員からの意見や懸念を収集し、それを基に承継プロセスを改善します。 

具体的な方法:

四半期ごとに説明会を開催し、進捗状況を報告します。また、社員からのフィードバックを受け付ける専用のオンラインプラットフォームを設置し、意見交換を促進します。

ステップ5: ITシステムとデジタルツールの活用

自動承継のプロセスを効率的に管理するために、ITシステムとデジタルツールを導入します。

・承継管理ソフトウェアの導入: 後継者選定の進捗管理やタスクの追跡を行うための専用ソフトウェアを使用します。 
・クラウドベースのコミュニケーションツール: すべての関係者がリアルタイムで情報を共有できるようにします。 

具体的な方法:

市場で提供されている承継管理ソフトウェアの中から、自社のニーズに合ったものを選び、導入します。また、社内での情報共有を円滑にするために、クラウドベースのプロジェクト管理ツール(例:Asana、Slack、Microsoft Teamsなど)を活用します。

自動承継の未来展望

自動承継の導入は、特に中小企業にとって、事業承継の課題を解決するための強力なツールとなります。事業の価値や継続性を確保しつつ、企業が未来に向けて成長し続けるためには、こうした新しいアプローチが不可欠です。自動承継の仕組みは、単なる後継者選定の問題にとどまらず、事業の未来を形作るための戦略的な手段としての可能性を秘めています。

企業は自動承継を導入することで、経営の不確実性を減少させ、持続可能な成長を実現するための強固な基盤を築くことができます。さらに、企業文化や価値観を次世代に継承し、未来に向けた持続的な発展を支える重要な要素となります。

結論

自動承継は、事業承継の未来を大きく変える可能性を持つ、新しいアプローチです。事業の継続性を確保し、不確実性を減少させることで、企業の安定した成長をサポートします。これからの時代において、企業はこの自動承継の仕組みを活用し、持続可能な未来を築いていくべきです。自動承継の導入を通じて、企業の長期的な成功と発展を実現しましょう。

私のお客様で70歳を超え、事業承継が間に合わなかった。というお客様も多くいらっしゃいます。「間に合わない」となる前にお気軽のご相談ください。

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