製造業の家業を引き継ぎたくない息子たちの本音 ― 事業承継コンサルタントとの対話

はじめに

家業の引き継ぎは、単なるビジネスの継承にとどまらず、経営者自身の人生や未来に深く関わる重要な選択です。
特に製造業のような業種では、息子(次期後継者)たちが直面する心理的な葛藤は非常に複雑で、解決には慎重なアプローチが求められます。本記事では、事業承継コンサルタントとの対話を通じて、家業を引き継ぎたくない息子たちの心境を掘り下げ、彼らが直面する問題と感情を詳しく探っていきます。父親である現経営者は、自分が会社を引継いだ時代と、今は違います。
自分の時代を標準にするのではなく、今の子供の状況を100%受け入れ、どうやって引き継いでもらうのかを考えましょう。

コンサルタントとの対話

自由を求める気持ちと責任の重さ

西脇コンサルタント【以下「コンサルタント」】:「こんにちは、家業を引き継ぎたくない理由について詳しくお聞かせいただけますか?」

息子:「家業を引き継ぎたくないのは、自分の人生を自由に生きたいからです。家業の経営には、大きな責任が伴い、その重さがとても重荷になっています。私は、自由に自分の時間を使い、ライフスタイルを楽しんでいるのですが、こんな生活を過ごすことが難しくなるのではないかと心配しています。他にも、現在働いている会社には、自分が追い求めたいキャリアやライフスタイルがあり、それを実現するためには、家業の引き継ぎを正直、避けたい気持ちが強いです。」

コンサルタント:「責任の重さに対する恐れがあるのですね。家業の経営には専門的な知識も必要で、どの部分でプレッシャーを感じていますか?」

息子:「製造業の経営は、専門知識が深く、単純に始められるものではないと感じています。家族や従業員に対する期待も非常に高く、そのプレッシャーが大きなストレスとなっています。さらに、今の商社に働いていてキャリアを築くことに幸せを感じていますので、家業の引き継ぎを避けるべきだと強く感じています。」

プレッシャーと期待の間での葛藤

コンサルタント:「まずは、具体的にお父さんからのどのような期待がプレッシャーになっているのでしょうか?」

息子:「父の期待に応えることが非常に大きなプレッシャーです。父は他業種で働いていた私のキャリアに対して、非常に多くの期待を寄せており、その期待に応えなければならないという責任感が重いです。それと自分の夢を追いかけたい気持ちと、家業の責任を果たさなければならないという葛藤が続き、どちらの道を選ぶべきか決められずにいます。家業の引き継ぎをすることで得られる安定と、自分の夢を追い求める自由との間で悩んでいます。」

コンサルタント:「その葛藤は、非常に深いものですね。家業の引き継ぎには安定をもたらす反面、自分の希望するキャリアやライフスタイルに対する影響もありますね。」

息子:「家業を引き継ぐことで得られる安定的な生活と、私が本当に望むキャリアに就く機会を失う可能性との間で葛藤しています。家業の経営には向いていないと感じる自分が、果たしてその責任を全うできるのかという疑問もあります。自分の能力や情熱を生かせる分野で成功することが、人生においてより意義があると感じています。ただし、家業の責任を放棄することで家族や従業員にどのような影響があるのかも考えなければならず、その選択が本当に正しいのか迷っています。なぜこんな選択肢しか自分にはないのか?恨み節もあります。」

自分の道を選びたいという願望

コンサルタント:「家業を引き継ぐよりも、自分のスキルを生かせる分野で成功したいという気持ちが強いとのことですが、その理由について詳しく教えてください。」

息子:「家業の引き継ぎも重要なことだと思いますが、自分のスキルや情熱を生かせる分野で成功したいという気持ちが強いです。製造業の経営には、自分の興味やスキルには合わないと感じています。現在、自分が本当にやりたいことを追い求める方が、長期的に見て満足度が高いと考えています。自分の将来を築くためには、家業の引き継ぎよりも別の挑戦が必要だと感じています。」

コンサルタント:「自分のスキルや情熱を生かせる分野での成功を追求する気持ちは、キャリアに対するビジョンから来ているのでしょうね。そのビジョンが家業の引き継ぎとどのように対立していると感じていますか?」

息子:「家業の引き継ぎによって安定した生活を得る一方で、自分の希望するキャリアやライフスタイルに対する機会を失う可能性があります。製造業の経営に対する興味が薄れているため、自分のスキルや興味を生かせる分野での成功を優先したいと考えています。しかし、そのためには家業の責任を放棄する必要があり、その選択が本当に正しいのか悩んでいます。あと家業に戻るという事は住み慣れた東京暮らしを辞めて地元に帰ることになりますが、家族は東京に住みづける事を望んでおり家族を説得する自信もありません。」

自由を選ぶことの悩み

コンサルタント:「引き継ぎの重圧が自分を押しつぶしそうで、自由に生きるためには自分の選択を貫くべきか悩んでいるとのことですが、その悩みをどうにか乗り越えたいと考えていますか?」

息子:「自由に生きるためには、自分の選択を尊重し、家業の引き継ぎを避けるべきかどうか悩んでいます。家業の責任を放棄することで家族や従業員にどのような影響があるのかを考えると、簡単には決められません。自分の未来をどう切り開くかを決めるために、専門家の意見を聞いたり、家族と話し合ったりすることが重要だと思っています。納得のいく決断をするために、慎重に考えたいと思っています。」

コンサルタント:「その悩みは非常に複雑です。どちらの選択にもメリットとデメリットがあるため、まずは自分の価値観や将来に対するビジョンを明確にすることが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、選択肢を整理し、より良い決断を下す手助けになるでしょう。」

結論

製造業の家業を引き継ぎたくない息子たちの心境は、経営の責任だけでなく、個人の人生や未来に深く関わっています。家業の引き継ぎを検討する際には、家族間の感情的なサポートと共に、個々の希望や将来に対するビジョンを尊重することが大切です。

事業承継のプロフェッショナルとしては、その複雑な感情と実際の経営のニーズをバランスさせるサポートを提供することが求められます。家業の引き継ぎについて悩んでいる方は、ぜひ専門家のアドバイスを受けて、より良い解決策を見つけてください。私たちのサポートは、ビジネスの引き継ぎだけでなく、あなたの未来を支える大切なサポートとなります。

家業の承継に関する問題は個別的で複雑ですが、適切なサポートとアドバイスを受けることで、より良い解決策を見つけることができます。家族や経営者が直面する問題を共に解決し、成功への道を切り開くために、ご相談ください。
私たちが提供するコンサルティングサービスは、単なるビジネスの引き継ぎにとどまらず、あなたの未来を支える重要なサポートとなるでしょう。あなたが抱える問題に対して最適なアプローチを提供し、持続可能な成功を実現するためのお手伝いをさせていただきます。

*経営者様に伝えたい事は、今の息子さんの生活を犠牲にした事業承継ではなく、尊重したうえで次期社長が前向きに家業を継ぐ環境を作ってあげてください。

info@up-on.jp
担当 西尾 お気軽にお問い合わせください


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