会社の未来を見据えて、3年後に子供へ引き継ぐ現役社長の想いとは
日本の中小企業127万社が事業承継にこまり廃業の危機にあると言われています。中小企業が日本の産業を支える中、日本の屋台骨が今まさにぐらつき出しています。
私は、事業承継で日本の産業を支える役割を担うと決意し、この度、事業所に関する記事を発表して行きます。
・私は、息子・娘が家業を引き継ぐことに特化した 跡継ぎ発掘コンサルタント もとさんとして活動しています。
こんにちは、今回は、現役社長の井内さんのインタビューです。今回は、井内社長が考えている会社の未来と、3年後に子供に会社を引き継ぐことについての想いをお聞きしました。
井内さんの会社は、金属加工業をしている社員約50名の会社で、売上は、ここ10年横ばいから少し下降気味で、新商品に
収益がトントンの現状
井内社長 「まず、現状について少しお話しさせてください。私の会社は、長年にわたって市場の波に乗りつつも多くの挑戦を乗り越えてきました。現在、収益はトントンの状態です。これは経営者としての私にとっては恥ずかしい事です。実は、多くの課題を抱えています。利益がトントンということは、確かに不安感を与えますが、一方で成長の余地があるということでもあります。
この現状を早急に改善する、未来に向けてどのように成長を図るかが、私たちの次の大きな課題です。市場の変動や経済の不確実性に対応するために、私は日々戦略を練り、チームと共に努力を続けていますが、従業員が50名の小さな会社です。できることも少なく、会社の財務状況を健全に保つために、コスト管理や効率化を徹底しながら、新たなビジネスチャンスを模索しています。」
引き継ぎへの決断
3年後に会社を子供に引き継ぐことを決めた理由についてお話ししましょう。この決断は簡単なものではなく、多くの夜を寝ずに考え、議論を重ねた結果です。私自身が築き上げた会社を次の世代に託すということは、非常に感慨深く、大きな責任を伴います。
まず、子供が会社を引き継ぐということは、私がこれまで積み上げてきたものを信頼して託せる相手がいるという安心感があります。娘は、幼い頃から私の仕事を見て育ち、ビジネスに対する興味を自然と持つようになりました。娘の視点や若いエネルギーは、必ずや会社に新しい風を吹き込み、さらなる成長をもたらすと確信しています。
子供への期待
子供が会社を引き継ぐことに対する私の期待は非常に高いです。現在も会社の一員として働き、経営の実務を学びながら自分なりのビジョンを描いています。娘が持つ新しい視点や若いエネルギーが、会社に新しい風を吹き込むと確信しています。
私が子供に望むのは、私が築き上げた基盤をしっかりと受け継ぎながらも、娘自身のビジョンとアイデアを持って、会社をさらに成長させることです。新しい時代には新しいリーダーシップが必要です。子供がそのリーダーとして会社を導く姿を想像すると、未来が非常に楽しみです。
会社の未来を共に
引き継ぎは単なる形式的なものではありません。これは、私たち親子が共に働き、会社の未来を築いていくプロセスでもあります。この3年間で、私は子供に経営のノウハウを伝授し、彼(彼女)が独自の経営スタイルを確立できるようにサポートしていきます。また、社員との信頼関係を築くことも重要です。私が築いてきたチームを大切にし、共に成長していくことを期待しています。
私たちは、次世代のリーダーシップの移行をスムーズに行うために、計画的なトランジションを行います。具体的には、経営戦略の共有、重要なビジネス決定のプロセス、財務管理の方法などを段階的に伝えていきます。これにより、子供が自信を持ってリーダーシップを発揮できるようにします。
社員との信頼関係
社員との信頼関係は、会社の成功に不可欠な要素です。私が築き上げてきたチームは、非常に優秀で献身的なメンバーばかりです。彼らとの信頼関係を次の世代に引き継ぐことが、会社の持続的な成長にとって重要です。
私は、子供が社員との良好な関係を築くために、コミュニケーションの重要性を教えています。オープンな対話、透明性のある意思決定、そしてチームの意見を尊重する姿勢が、信頼関係を築く鍵です。子供がこれらの価値を理解し、実践することで、社員との強固な絆を保ち続けることができると信じています。
ただ正直なところ、私の幹部たちが娘を盛り立ててくれるのかが心配です。周りの経営者と話をしても、今の幹部が良い顔をしない事例を多く見てきました。いずれ、この幹部たちにも会社を引退してもらう辛い決断も娘と会社の為には必要なのではないかと思います。
新規事業の立ち上げとイノベーション
会社の未来を考える上で、新規事業の立ち上げとイノベーションは欠かせない要素です。市場の変化に対応し、競争力を維持するためには、常に新しいアイデアを取り入れ、挑戦を続ける必要があります。子供が持つ若い感性と創造力は、この分野で大いに役立つでしょう。
私たちは、次の3年間で新しいビジネスモデルや市場機会を探索し、実現可能なプランを策定します。娘が主導するプロジェクトとして、新規事業の立ち上げをさせるつもりです。会社からの援助は最初の資金だけ。それ以外は自分たちでさせる。その過程で実践的な経験を積ませます。この経験は、娘が未来のリーダーとして成長するための重要なステップとなるでしょう。もし、うまく行かなければ、娘に継がせないとはっきりと伝えています。
私の願い
会社を引き継ぐことは、私にとっても大きな挑戦です。しかし、私は信じています。子供がこの会社を引き継ぎ、新たな高みへと導いてくれることを。会社がこれからも成長し、社員とその家族、そして地域社会に貢献できる企業であり続けることを願っています。
私の願いは、会社が単なるビジネスの場ではなく、社員一人ひとりが誇りを持ち、共に成長できる場所であり続けることです。娘がそのリーダーシップを発揮し、新しい時代に対応した経営を行うことで、会社はさらなる飛躍を遂げるでしょう。
女性ならでは視点で経営する会社に変わってもらってもいいと思っています。
最後に
このインタビューを通じて、同じような立場にいる方々や、これから事業承継を考えている方々と情報を共有し、少しでも役に立てれば幸いです。引き続き、会社の成長と未来に向けた挑戦を続けていきますので、応援よろしくお願いいたします。
私たちの会社は、これからも社員一丸となって前進し続けます。3年後の引き継ぎが成功し、新たなリーダーシップの下で会社がさらに成長していくことを楽しみにしています。皆さんも、共に会社の未来を見守っていただければ幸いです。
最後に、アップオンコンサルティングの西尾さんにお会いしたのは、ほんの数カ月前、以来いろいろと相談にのって頂き誠に感謝しております。事業継承という事を意識してから、結局は5年以上かかり、やっと娘の事業継承を決断できました。8年がかりの事業継承です。それほど、会社を譲る決断は難しいものです。自分が55歳を超えたら一度は事業承継士さんに相談してみてください。おすすめします。
井内