事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.2
こんにちは、事業承継を指導するもとさんです。今日は、事業承継についてお話ししたいと思います。
後継者が見つからずにお悩みの現社長さんに向けて、少しでもお役に立てる情報をお届けしますね。
企業の存続は、経営者にとって非常に大きな責任です。従業員や取引先、お客様への影響を考えると、「どうしたら会社を次の世代に引き継げるのか?」と悩むのは当然のことです。しかし、もしも「後継者が見つからない…」という状況にあると、さらにその悩みは深刻になりますよね。
そんな時に知っていただきたいのが、MBO(Management Buyout)です。これは、現在の経営陣(主に役員)が、会社を買い取り、経営を引き継ぐ方法です。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、できるだけ分かりやすく説明していきますのでご心配なく。
Vol.1に引き続き今回はMBOの進め方をMBOステップガイドとしてお伝えします。
VOL.1は、こちらをクリックするとご覧になれます ⇒ <https://jigyo.jp/2024/08/19/>
MBOのステップガイド
MBOを進めるには、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。以下に、その手順を詳細に解説します。
1. 計画の策定
まずは、MBOを実行するかどうかの計画をしっかりと立てることから始めます。この段階では、以下の点について考慮する必要があります。
目標設定
最初に、なぜMBOを選択するのか、その目的を明確にしましょう。例えば、「会社の独立性を守りたい」「従業員の安心感を保ちたい」など、あなたがMBOを通じて達成したい目標をはっきりさせることが重要です。
資金の見積もり
次に、MBOを行うために必要な資金を見積もります。会社の評価額や、買収にかかる費用を算出する必要があります。この際、現在の経営陣がどのくらいの資金を出せるのかも重要なポイントです。会社の規模や財務状況によっては、多額の資金が必要になることもあるため、現実的な見積もりを立てましょう。
専門家の協力
MBOは複雑な手続きが伴うため、専門家の助けを借りることをお勧めします。特に、M&Aの経験が豊富な事業承継士に全体像を描いてもらった後に、弁護士、会計士などに相談することで、計画をより具体的かつ現実的に進めることができます。彼らは、MBOの実行に必要な法的・財務的なアドバイスを提供し、リスクを最小限に抑える手助けをしてくれます。
2. 資金調達
MBOの成功には、十分な資金が不可欠です。ここでは、どのように資金を調達するかについて考えていきます。
自己資金の確認
まずは、経営陣がどれだけの自己資金を用意できるかを確認します。自己資金が多いほど、銀行や投資家からの信頼が高まり、融資を受けやすくなります。また、自己資金が多いと、その後の経営に対するコミットメントが強まるため、従業員や取引先にも安心感を与えることができます。
銀行融資の活用
自己資金だけでは不足する場合、銀行からの融資を検討します。MBOは通常、銀行にとってもリスクの高い融資となるため、会社の将来性や経営陣の実績をしっかりと説明することが必要です。銀行との交渉には、詳細なビジネスプランと財務計画を用意し、MBO後の経営戦略や返済計画を具体的に提示しましょう。
投資ファンドの協力
さらに、投資ファンドからの資金調達も一つの手段です。投資ファンドは、企業の成長を見込んで資金を提供するため、MBO後の成長戦略が明確であれば、協力を得られる可能性が高まります。特に、中小企業向けのファンドや、事業承継に特化したファンドを探すと良いでしょう。
その他の資金調達方法
必要に応じて、社内でのストックオプション制度の活用や、従業員からの出資を募ることも検討できます。従業員に会社の一部を所有させることで、彼らのモチベーションを高め、会社全体が一丸となってMBO後の経営を進めることができます。(私はお勧めしません。理由は株の分散は職員の退職後に問題になることが多いからです。ただ、退職時に会社が株価で買うなどの方法もあります。)
3. 買収契約の締結
資金が整ったら、次は実際に会社を買い取るための契約を締結します。この段階では、法的手続きをしっかりと進めることが求められます。
弁護士の役割
契約書の作成や交渉には、専門的な知識が必要です。ここで弁護士のサポートを受けることは非常に重要です。弁護士は、買収契約の詳細をチェックし、現社長にとって不利な条件を受け入れないようにします。また、契約に関する法律や規制についてもアドバイスを受けることができます。
契約条件の確認
契約書には、買収の条件や価格、支払い方法、買収後の経営陣の役割など、細かな事項が記載されます。すべての条件を確認し、不明点があれば必ず専門家に質問するようにしましょう。買収契約は、会社の未来を左右する重要な文書ですので、慎重に進めることが必要です。
署名と実行
すべての条件に合意したら、いよいよ契約書に署名します。署名後は、契約に基づいて実際の資金移動や株式の譲渡が行われます。ここから、次期社長が正式に会社の新しいオーナーとなり、MBOが完了します。
4. 新しい経営体制のスタート
MBOが完了したら、新しい経営体制で会社を運営するフェーズに入ります。ここでは、次期社長が、今後の経営を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。
ビジョンと戦略の再確認
まず、MBO後の会社のビジョンと経営戦略を再確認します。これまでの方針を継続するのか、新しい目標を設定するのかを明確にしましょう。経営陣が一体となって、会社をどの方向に進めるのかをしっかりと共有することが重要です。
従業員へのコミュニケーション
MBOの完了後、従業員に対して新しい経営体制について説明し、彼らの不安を解消することが大切です。特に、経営陣が引き続き会社をリードしていくことを強調し、従業員の信頼を得るよう努めましょう。また、従業員の意見を積極的に取り入れ、共に会社を成長させる姿勢を示すことが、今後の成功につながります。
成長への取り組み
MBOは、新しい経営体制のスタートラインです。ここからは、あなたのリーダーシップのもと、会社をさらに発展させるための施策を実行していきましょう。新たな市場開拓や製品開発、業務の効率化など、会社の成長を加速させるための具体的な行動計画を立て、実行に移していきます。
財務管理の徹底 MBO後は、会社の財務状況を常に把握し、健全な経営を維持することが重要です。特に、買収に伴う負債の管理や、資金繰りの確保を徹底しましょう。定期的に財務状況を確認し、必要に応じて対策を講じることで、安定した経営基盤を築くことができます。
MBOを成功させるためのステップを紹介しました。
次回は、事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.3を紹介します。
次の内容は、MBOを成功させるためのポイントをご紹介します。
もし良ければMBO関連の過去の記事も併せてお読みください。
ブログはこちらからどうぞ↓↓
事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.1
事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.3
事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.4
事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.5
お問い合わせ先 info@up-on.jp
株式会社 アップオンコンサルティング
担当者 西尾までお気軽にお問い合わせください。