事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.1

こんにちは、事業承継を指導するもとさんです。今日は、事業承継についてお話ししたいと思います。
後継者が見つからずにお悩みの現社長さんに向けて、少しでもお役に立てる情報をお届けしますね。

企業の存続は、経営者にとって非常に大きな責任です。従業員や取引先、お客様への影響を考えると、「どうしたら会社を次の世代に引き継げるのか?」と悩むのは当然のことです。しかし、もしも「後継者が見つからない…」という状況にあると、さらにその悩みは深刻になりますよね。

そんな時に知っていただきたいのが、MBO(Management Buyout)です。これは、現在の経営陣(主に役員)が、会社を買い取り、経営を引き継ぐ方法です。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、できるだけ分かりやすく説明していきますのでご心配なく。
子供に引き継ぐという意味ではありませんのでご注意ください。

MBOってなに?

まずはMBOの基本から説明します。MBOとは、今会社を経営している人たち(つまり、主に役員)が、自分たちでお金を出し合って会社を買い取るという方法です。

たとえば、会社が売りに出されるとき、外部の投資家や他の企業が買おうとすることがありますよね。でも、外部の人が会社を買うと、経営方針が変わったり、従業員が不安に思ったりすることも少なくありません。そこで、今の経営陣が会社を買い取ることで、これまで通りの経営を続けられるようにするのがMBOなんです。

なぜMBOが事業承継に有効なの?

後継者がいない場合、通常は外部に会社を売るか、廃業するかの選択肢しかないと思われがちです。でも、MBOという方法を使えば、あなたが築いてきた会社を安心して次の世代に引き継ぐことができます。

MBOが有効な理由はたくさんありますが、その中でも特に大切なポイントを3つ紹介します。

1. 会社の独立性を守れる

MBOの最大のメリットの一つは、会社の独立性を維持できることです。通常、企業が外部の投資家や他の企業に売却されると、新しいオーナーが経営方針を決めることになります。新オーナーの目的やビジョンが、元の経営陣や会社の文化と異なる場合、それが企業全体に大きな影響を与えかねません。

たとえば、新しいオーナーがコスト削減を重視するあまり、従業員の待遇を削減したり、これまで大切にしてきた顧客サービスの質を犠牲にしたりする可能性があります。また、外部のオーナーは短期的な利益を追求することが多いため、長期的な視野に立った投資や戦略が後回しにされるリスクもあります。結果として、企業が築いてきた信頼やブランドイメージが損なわれることがありえます。

しかし、MBOを選択すれば、現経営陣がそのまま経営を続けることになるため、これまでの方針や会社の文化を守りつつ、独立した経営を維持できます。経営陣は既に会社のビジョンやミッションを理解し、それを共有しているため、大きな方向転換が必要ありません。これにより、従業員や顧客、取引先に対しても、安心感を提供することができ、会社全体が一丸となって成長を続ける基盤が整います。

2. 従業員の安心感

会社の売却が決定されると、従業員たちはしばしば将来に対して大きな不安を感じます。「新しいオーナーの下で、今まで通りの仕事が続けられるのか?」「リストラや配置転換があるのではないか?」といった疑念が生じるのも無理はありません。特に、外部の買い手が来る場合、従業員のモチベーションが低下したり、最悪の場合、離職が増えたりする可能性があります。

一方、MBOでは、経営陣がそのまま引き継ぐため、従業員にとっては馴染みのあるリーダーシップが継続することになります。「自分たちを良く理解しているリーダーが、今後も会社を引っ張ってくれる」という安心感が得られます。この安心感は、日々の業務に対する集中力やモチベーションの維持につながり、結果的に会社全体の生産性やチームワークを高めることができます。

また、経営陣が自ら会社を所有することで、彼らのコミットメントや責任感が一層強くなります。従業員たちは、経営陣が自らリスクを負いながら会社を運営している姿を目の当たりにし、より強い信頼感と忠誠心を抱くでしょう。こうした積極的な姿勢が、従業員全体に良い影響を与え、企業文化の強化にも寄与します。

3. 企業価値の維持

外部の企業や投資家による買収は、しばしば企業価値に対する一時的なリスクをもたらします。新しいオーナーが利益を優先するあまり、短期的な成果を求めてコストカットや資産売却などの手段を講じることが多いためです。このようなアプローチは、短期的には財務指標の改善をもたらすかもしれませんが、長期的には企業の成長力や競争力を損なうリスクがあります。

MBOを選択することで、こうしたリスクを避けることができます。現経営陣は、企業の長期的な成長と持続的な発展を見据えた経営を続けることが可能です。彼らは既に企業の強みや弱み、そして市場でのポジションを熟知しており、それを活かして長期的な価値向上に取り組むことができます。

また、MBOによって企業価値が維持されるだけでなく、さらなる成長を促進することもできます。経営陣がオーナーシップを持つことで、利益の再投資や新たな事業展開に対する意欲が高まり、企業全体がよりダイナミックな動きを見せるようになることも少なくありません。このような経営の一体感が、企業価値の向上と安定した成長を支える大きな力となるのです。

このようにMBOは、前向きな事業継承と言えます。もし、親族で会社を引継いでくれる人がいない場合は、企業文化を残すという意味でもMBOの検討をしてみるのも良いかと思います。

MBOを成功させるためのステップを紹介しました。

次回は、事業承継に悩む現社長の方へ – MBOという新しい選択肢VOL.2を紹介します。
次の内容は、MBOを成功させるためのステップガイドをご紹介します。

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